(16) アアルト・自邸

 アアルト自邸はムンッキニエミのリーヒティエ通り10番地にあり、急崚な丘の斜面上に立地しています。内部は仕事用スペースとプライベートスペースが適度な距離感を保ちながら、無駄のない機能的なデザインが図られています。アアルトは「正当な理由がない限り何もすべきではない」と考えており、自邸ではその手法を強く主張しているように感じました。

 インテリアは布、繊維マット、木などシンプルな素材を使い、フィンランドの古い農家を表現していました。リビングルームにはアアルトによる数々の作品が無造作に飾られており、当時の暮らしぶりをいきいきと表していて、面白い展示方法がとても印象的でした。随所に設けられた窓からのぞかせる庭の景色は、絵画を思わせるインテリアのように感じられ、狭い空間を開放的な広がりに見せる手法は見事です。(記:北田莉沙)

目次

  • (1) ヘルシンキ中央駅周辺
  • (2) エスプラナーディ通り
  • (3) トーロ湾西岸
  • (4) 元老院広場・ヘルシンキ大聖堂
  • (5) テンペリオウキオ教会
  • (6) シベリウス公園
  • (7) カンピ地区
  • (8) デザイン博物館
  • (9) ハカニエミマーケット
  • (10) カタノヤッカ島
  • (11-1) カイヴォプイスト公園(1)
  • (11-2) カイヴォプイスト公園(2)
  • (12) エイラ地区
  • (13-1) ルオホラハティ・カペル地区(1)
  • (13-2) ルオホラハティ・カペル地区(2)
  • (14) カリオン教会・トーロ湾東岸
  • (15) ヴァッリラ地区
  • (16) アアルト・自邸
  • (17) アアルト・アトリエ
  • (18) ムンッキニエミ地区
  • (19) ピック・プオパラハティ
  • (20) アラビア地区
  • (21) カピュラ地区
  • (22) ミュールマキ教会
  • (23) マリメッコファクトリー