この公園の由来になったジャン・シベリウスはフィンランドの自然から着想を得た曲を数多く残しており、中でも代表作である「フィンランディア」は、帝政ロシアの圧政に苦しめられていた国民の独立意識を促進させた名曲です。今日のフィンランドをつくりあげた偉人として称えられたシベリウス公園には、1967年にシベリウスの没後10年を記念して、女流彫刻家のエイラ・ヒルトゥネンの作品である肖像彫刻とモニュメントが昂然たる姿で飾られています。当時の技術では難しいこの繊細な模様がより一層鮮麗さを極立たせていました。一見パイプオルガンにも見えるこのモニュメント(写真下)は、何をイメージしたのか明確にされておらず、見る全ての人が何にでも感じられる芸術作品です。「パイプに耳を当てるとフィンランドの音がする」とも言われています。これらの作品を一目見ようと、現在でも観光客でにぎわうこの公園を素晴らしく思いました。(記:北田莉沙)