
(8) 台北 台湾大学社会福祉学部棟
ヤシの並木道とレンガ造りの建物が建ち並ぶ風情ある国立台湾大学キャンパス内の斬新なデザインの建物は、1994年から移転計画が進められ、ようやく2014年にオープンした社会科学部棟の図書館です。法律学部・経済学部・政治学部の3つの図書施設を統合しています。学生や教師だけでなく外部の人も利用できるよう、開放的なガラス張りの建物となっています。設計は伊東豊雄氏、家具のデザインは藤江和子氏といずれも日本の建築家が起用されています。88本ある柱は森を現しており、中庭と一体化しています。天井から漏れる光はまるで木漏れ日のようで、自然の中にいるような気持ちになりました。家具の材料は竹集成材を使用しており、曲線を描いた書架の端が柱に合うよう設計されています。椅子の背面が天井と同じ模様が施され、建築と家具とランドスケープの関係性がリンクしていて、とても面白い設計でした。
(記:北田莉沙)