はじめに

台湾街並・建築研修旅行

研修地の概要

 2019年2月15日から4日間台湾(中華民国)を訪問しました。いつでも行ける近さが逆に足かせになっていたのか、今回訪問した事務所のメンバー6名のうち5名が初訪問でした。機内の映画1本見終えないうちに着いた台湾は九州と同程度の面積、人口約2360万人、旅行の拠点とした台北は人口約270万人です。北に位置する台北から南部の高雄まで日本製の新幹線「台湾高速鐵道」によって約1時間半で結ばれ、高雄まで日帰りで行った者もいます。

 台湾を訪問した目的は、台湾の街景観を見ること、台湾で活躍する建築家の作品を見ること、その中には日本人建築家も多いです。そして、台湾の文化と美味しい料理を楽しむことでした。

 台北は、周囲を山に囲まれた盆地に近代的な都市の様相と古い混沌とした景観が混在しています。次々に新しい建築をつくるとともに、古い建物の保存再生に力を入れています。

 台北から高速鐵道に乗って1時間で着く台中では、都市計画により郊外に新市街が整備されました。その核として2016年に竣工した伊東豊雄氏設計の台中国家歌劇院を見ました。

 また、東海岸の宜欄は台湾人の建築家集団フィールドオフィス・アーキテクツの活動拠点として、いくつかの作品群があります。南部の高雄はアジア有数の港街で海沿いの古い倉庫群がコンバージョンされ、南国特有のオープン空間が特徴的な国家芸術文化センターが昨年建築されました。

 有名な観光地の九份にも足をのばしましたが、雨の中狭い路地状の階段では人混みで立ち往生、さらに傘の山が邪魔して景観をじっくり見ることができませんでした。また、食事の時間が短く、店の都合か案内人の都合だったのか、もう少しゆっくり食事を楽しみたかったと反省しています。

 しかしながら、台北は冬でも暖かく、治安も良く、路線バスと地下鉄が整備されコンビニや飲食店がいたる所にある利便性のよい都市です。そして、新幹線の窓口では日本語でチケットを購入でき、街中では現地の人に日本語で話しかけられたりと、台湾人の親日ぶりを感じました。新しいものが好きな台湾人ですので、また数年後には違った台湾が見られるのではないかと思います。

記:野々川光昭

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