
(13) 宜蘭 羅東文化工場
宜蘭中部の羅東鎮にある、アート展示・パフォーマンス、スポーツイベント、クリエイティブ産業振興を担う地域文化施設。これは宜蘭市がコミュニティ形成政策の一環で、フィールドオフィス・アーキテクツが設計を行い、1999年着工―2014年竣工と15年近くかけて完成した施設です。幅54m・長さ90mの大屋根は貯木をイメージしたデザインとなっており、その下では子供たちの遊び場やイベント会場として利用でき、日曜日に訪れた時もフリーマーケットが開催され多くの人と子供たちが雨を気にすることなく楽しんでいました。
台湾では公的建築物はパブリックアート作品を設置し建築物本体とその周囲の環境を美化すべき条例があります。宜蘭文化局が藤森照信氏に作品設計を依頼して出来たのが、天井から吊り下げたヒノキの茶室『老懂軒』です。これは子供を含めた住民たちとの共同作業で製作され、住民100人でロープで引上げて竣工式を行ったそうです。残念ながら中には入れませんでしたが、暖かみが伝わってくる空間でした。
(記:高羽悠介)